………。お前さんの父は、その命で多くの命を救った。
本当に立派な人だった。
俺の命の恩人でもある。
その息子であるお前を、俺は無駄に死なせてやるわけにいかん。
だから自分の命は大事にしろ。
それが守れるなら───…
…必要な場所で、医療をしてやってくれ。頼む。
[しかと目を見交わし、最後は少し目を細める。きっとこの男は、父の心を継ぐのだろう。
彼の父に良く似た、意志の強い目をした男だと思った。オルヴァルでの海戦の後、敢えて軍医にならずに艦に乗り続けていると聞いたときには笑ったものだ。らしいなと思った*]