人狼物語−薔薇の下国

168 グラムワーグ・サーガ


騎士 シュテルン

― 芽生えた能力のお話 ―

[正確にはヤコブと会ったのは初めてではなかった。
大人になったヤコブと初めて会ったので、自分の知っているヤコブその人とすぐには気づかなかったのだった。

あれは10年ほど前。
母方の伯父がティレル村に行く用事があって、彼にくっついて一緒にティレル村に数日間ほど滞在したことがあった。
その時にヤコブ・バルドと「友達」になったのだった。

ほんの少し年上のヤコブと村で遊んだ時間は、カレンの街にいては到底出来ないような刺激的な体験で。
すっかり彼に懐いて、いざ街に帰る時には帰りたくないと駄々を捏ねまくった。

とはいっても甥っ子を置いていっては、伯父は彼の妹にものすごく責め立てられるだろう。
困った顔をしながら半ば引きずるようにして、シュテルンを街に連れ帰った]

(521) 2014/03/29(Sat) 00:16:37

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