痛いだろうに――こんなに傷つけて……。[>>509 血に濡れた華奢な両手が痛ましくて、目を細める。]君を、傷つけるくらいなら――。俺の心臓を渡すことで、君がその苦しみから解放されるなら――。[握っていたナイフを取りあげ、間髪入れずに自らの胸へと突き刺し。そのまま傷口を開くように刃を横へひく。]