ああ、僕も魔界と聞い……マカイ?
……そうか、マカイという国なのか。
[微妙なイントネーションの違いに首を傾げる。
記憶がごっそり抜けおちた分、魔界と言われて疑問を抱きつつもあまり深く考えずにいたが、別の国との男の言葉に、ああ単なる国の名前だったのかと、こちらも間違った方に解釈取った。
男の来た方法については、海にでも落ちたかと、実際は湖だったがそう思いふうんと。]
手詰まり…そうだな。
ここは協力する方が、お互いの為、か。
[威圧でも下手でもない声だったからこそ、言葉を素直に受け入れる。
同意の声に喜ぶように軽く嘶いた馬の鬣に触れて、背を撫でた。
この黒い馬の事も、自分は知っているような気がした。]