― 一方そのころ?(>>459) ―
[兄の風が届く。兄のもつその気配は好きだ。暖かいというには足りず、冷たいというほどではない。どこか寂しげな烈風。だが、どこで寝ていたとしても運んでくれる。そんな安らぎもあった。]
あー、どうだろうね。ま、なんていうか。
[言葉にするとたくさんあるだろう。
主が惚気まくりの色ボケになっているとか。アデルの女性度合に磨きがかかっているとか。ロヴィンの一途でまっすぐすぎる態度をみていて溶けそうとか。シロウ先生が変人軍隊を作っているとか。ナネッテ姐さんが魔王から最近魔神になってきている気がするとか。
でもそこが自分の居場所だ。
兄にとっては物足りないかもしれない緩やかなそよ風。だがゆっくりと何かを排除することはなく受け入れていこうとする、新しい風が舞っている。
暴風が雲を飛ばした先にある、強い光≪オズワルド≫とは違うが、気づかなければ忘れてしまう。だが確かにそこにあって、見守る暖かくて寝心地のよい光≪ジークムント≫がいる]