お前ら!
全速前進ッ、とにかく前へ進めぇぇぇッ!
[マーティンが部下に下す指示は至極シンプルなものだった。
猪のように愚直に突進していく様は、単純だが、強い。
もし相手が計略をつかって貶めたとしても、そこから先はディーンやエドルファスが何とかしてくれる。
そんな信頼も、マーティンにはあった。]
どるぅあああああああ!!!
[だからこそ、樋熊は真っ直ぐに敵将へと突進していった。
>>506 視界の先、長槍の切っ先が視界に入る。
突き出されるようにして立ち塞がる槍の塊は、まるで剣山のようだ。]
小賢しいッ、
――――……盾ェ持ってる奴は防げっ!
無ぇ奴は、俺の後ろに続けッ!
[しかし猛った樋熊が怯むことはない。
マーティンは盾は持ち合わせていない。
然し、その大斧がそのまま巨大な盾の代わりをしてくれる。
長い槍を携えた一陣に、その巨躯を突っ込ませた。]