[ サシャが一応は乗馬可能と聞けば、彼女にも馬を与える。わざわざ接近しておいて、逃げるとは思えなかったから、そういった意味での心配はしていなかったが、その脇には腕の立つ私兵を一人張り付けることは怠らなかった ][ そして、三人の異郷の客人と、異邦人の子孫の一人を連れた不良貴族という、動乱期ならではと言っていいような一行は、馬を連ねて内に燃え滾る火を抱えた山へ...その麓に点在する温泉へと向かう ]