― 公国拠点 ―[渡河作戦が終わったことが、拠点に戻ってくる兵士らの数で知れた。 硝子球のような瞳で、怪我をした兵士らの姿をじっと見つめていた。 彼らがもし、補給部隊が攻撃されるきっかけを導いたのが自分と知れれば、怒りの坩堝にこの身を地獄の鍋にくべるのだろうか。 意味のないことを考える][そして、宙ぶらりんの身分のまま。 慰め程度に帯びていた銃の携帯、そして計器に反応した全ての魔具の携帯も許されぬまま、ようやっと司令官との面通りが適った]