[質問を投げる前、こちらに向けられた鋭い目。唇は動いていたかもしれないけれど、耳に捕らえたことば>>508
――吸血鬼
――じかく
――聞いていないのか
そんな単語に質問を被せて、目一杯聞かなかったことにする。
そうして得られた名前に>>509]
そ、っか…まだ、しばらく帰ってこないんだな…
[漠然とした質問だったけれど、答えた青年も何かを知っていそうで。多分、その人物で間違いはないのだと思う。
目の前の彼に聞けば答えは得られたのだろうけれど、敢えてそれには気付かない振りで少しでもと結果を先延ばしにして]
これ、いつまで待てばいいの…少し、つかれた…
[無愛想な口調ながら、聞いたことにはきちんと答えてくれた彼にそう問うてみた。疲れたのは本当だ]