[ココアを口にしつつ、特に嘘のない事情を、率直に答える。
――聊か探るような思いで、しかしさらりと尋ねた質問に、ウェルシュは、『戻ってからが大変』と返してきた。
それは、卒業してからという意味なのだろうか。
もしそれが正しいなら、政局に直接にかかわるような家柄を予想させる言葉に、しかし気づかない振りをして微笑する]
図書室では揃うのが遅いし、持ち出しも出来ないからな。
俺はもう殆ど読んだし、いつでも借りに来るといい。
歓迎するぞ。
[ココアのカップを持つ手は、白く。
まるで、あの白猫のようだな、と思ったことを覚えている。」