[斥候隊の部下に、河を渡れという指示は出していない。斥候部隊が知っている渡河ルートを、他の者が知っているという事になる] ……面倒くさい事になったな。 [ぼそり、と呟きつつ、彼らの様子を伺った。馬を降り、河原を上がって。じっと伏せたまま様子を伺う。人影は豆粒くらいの大きさで視認できているのみであり、顔などはわからない。少しずつ大きくなってゆく人影を見ながら。……何故だろう。どこか、ひどく懐かしいような感触に囚われた]