── コックピット ──
[ 部下と交代したとき。
副艦長、ガートルードの声が聞こえた。>>487
向き直って、軽く頭を下げて。けれどそのまま部下の報告を聞いた。
表情には出ない自負があったものの、命を助けられた海賊船には、どこか思うものがあったらしい。
とはいえ、その様子を見られ、訝しまれているとは思ってもいないこと。
コックピットではすべての扉の開閉をおこなう機能はあるものの。
秘匿性の高い場所や、所定の条件を満たした場所のセキュリティシステムは、また、別の操作をしなければ開かず。
そしてナネッテに、その権限は付与されていなかった。
開かない扉があったとしても、お膳立てするのは侵入のみ。
そう考えていた故に、特に気にも留めなかったけれど。 ]