…。[視線はそのまま、腰に下がる剣へと移る。扉に差し出そうとしていたのは、剣技。自分を培い、英雄たらしめる軸になったそれなら足りるだろうと。それでも足りなければ、英雄の名を、なお足りなければ命を、差し出すつもりでもあったが。結局、どれも支払われず、名も剣も命も、収まったままだ。]私が差し出すのは…命以外は、価値はあるが不要な物で…だから、よかったのに。