― 河の付近・南方面 ―[落ちないで下さいよ、とメルクーリオが笑う。黙って周囲を警戒していやがれ、と返しつつ、馬を駆る。彼は自分専属の部下ではないが、(※朝を除く)碌に寝ていない上に、馬上での任務であるため、念のために彼が付けられていた。北方面にも数人の斥候兵をやっている。こちらは南側の探索を行っている所だった。――…河縁を辿り、河原へと降りてゆく。ところどころに低い枯れた木と、水を含んだ砂利が拡がっていた。向こう岸までは約30ヤードといった所だろう]