[呼気が重なり、意思が通じる。同じとき、同じ刹那に踏み出し、動く刃。二つが絡みあうと見えれば、目が細くなる。フェイントにかかった。―――その思いは、次の瞬間に、覆された。刃の軌道を変える間の、ごく僅かな綻びを、糸通すほどの精緻さをもって、友の剣が貫く。怪我を負っていたから、というのは理由にならない。傷ならば友も同じ、いや、より重いだろう。細い道を切り拓いたのは、歪みを振り捨てた意思か。]