― シロウの話 ―
[ごく少人数を集めた中で、
シロウの話はその凄惨さと裏腹に
極めて軽い口調だった。
クレメンスの名が出ればさっと顔色が変わる。
こうまで確証が出ないとなれば、バックに大物がいるのは当然だろう。
だが、まさか身内の犯行だとは。
裏切られた思いで、ぎりと唇を噛んだ]
……それだけ、か?
たったそれだけの……
帝国に……リエヴルに信用されるためだけに?
暗殺の実行犯かもしれないから?
クレメンスの大叔父上と敵対していたから?
[低い声で吐き捨てる。
問い糺しているのか問い詰めているのかもわからない]