[手応えアリ。 にい、と笑ったその直後、襲い来るのは冷たい風……否、吹雪。 耐性はあれど、それでも指先が凍える。 考えなしに使ったバカは誰だ? ぎろり、視線を巡らせながら。 崩れ落ち、サシャの生み出した影の手に守られているジルを片手でひょいと抱えて、アヴェから距離を取るべく、サシャの傍らへと後ずさる。 吹雪の狙いはおそらくアヴェ。その近くにいればいるほど、巻き込まれるだけだと。]