……?
[ふいに、金貨の傍で鳴き声がし、そちらへと視線を落とせば仔犬が一匹。鞄をかりかり搔きながら、金貨の方を向いている。
鞄を見て、金貨を見ての仔犬の訴えが、食事の催促であることを察するのは難くなく。
あれだけ懐いていた愛し子を起こすのではなく、今目覚めている自分のもとへくるあたり現金なものだと、金貨は小さく噴き出して]
骨を取るので少し待っててくださいね。
[そう言って仔犬の頭を撫でたなら、鞄の中から包みを取り出した。
包みの中から表れたのは鳥っぽい何かの肉である。折れやすい骨が刺さらぬよう取り除き、仔犬に与えていたのなら、何やら視線を向けられた。]