…………。[朦朧とする意識をなんとか保てている。重い瞼を開けば、先程兎を握り潰していた手が、吹雪を遮っていた>>497] サシャ さ …………。 ぼくは、へいき……だから ぼく より、みずに よわい、まじょを、たすけ て……。[アヴェは既にジェムと化していただろうか。力を失い円月輪ごと床に落ちた少年は、震える手でマフラーからジェムを一つ取り出し、自身の青へと当てる。][最後のひとつは――――どうしても使えなかった。]