― ??? ―[扉を開けようと試みてから、どれぐらいの時間が経っただろう。身体を起こした金貨の手に触れるのは、宿屋の床のような木材の質感ではなく。隣に居たはずの愛し子を探せば、金貨から少し離れた場所で双頭犬の親に守られながら、眠る姿が目に入る。] ――っ!![慌てて駆け寄り触れてみて、呼気と鼓動を確認できたなら、安堵の息をつき改めてあたりを見回してみた。]