[回り道を強いられたロー・シェンがこちらに背を向けた。それを視界の端に納め、手元の蔦を切る。束縛を緩めた梢が揺れ、鳥が驚き飛び立った。その音にロー・シェンが上に気をとられれば上々、そうでなくとも一瞬の隙くらい、抉じ開ける意志をもって木の根方から飛び出す。左手、無言で振り抜く刃に映る──朗らかなまでの挑戦。]