― シュビト中央広場付近 ―
[逡巡の結果、男は後少しだけ騒乱の周囲へと近づく事を決めた。
勿論、フードで顔と身形を隠すだけでは、何時貴族の者と発覚するか知れない危険性は高いが、付近で王府軍との抗争や、その周囲で隠れ潜む何かがいればそれらを探すに越した事は無い]
…どうやら既に王府軍にも死者が出ている様だな。
…全く、愚か者め。
[軽く聴くとその言葉は暴徒に向けられた言葉にも思えるだろうが]
鎮圧するならば無為な問答など不要。
錬度不足な暴徒の大半など、有無問わず盾で押し込めば済む物を。
[既に死んだらしい兵を率いていた者は、余り有能で無かった様だ。
呆れと落胆を浮かべながら、中央広場を遠巻きに窺いながら、周囲の路地を渡り続けていると]