大丈夫……?そう、大丈夫…。[決してナイフの刃を向けるまいと、掌で握り込む。意識の全てを苛む声は変わらず響き続けているが、主の根拠のない、それでも確信出来る温かな励ましが身の緊張を和らげた。]頑張ります。何分…心臓摘出手術の研修は受けておりませんから。[懐かしい医療の言葉すら出せる。その間にも憎き声は支配の手を伸ばして来るが、ナイフの刃をより強く握る事で耐え続ける。…刃を伝って血が流れ出すのも、今は気にするまい。]