人狼物語−薔薇の下国

168 グラムワーグ・サーガ


魔王 テオドール

[ ふいにテオドールは身を折って咳き込んだ。
 内臓まで出てしまいそうな、尋常でない咳である。
 慌てて近づこうとする別働隊に、大事ない、下がれ、とテオドールは手を振った。 
 やっと咳が収まった。
 手の中に吐き出された血を、テオドールは傍の屍鬼の衣服でさりげなく拭った。

 ……タイミングがいいのか、悪いのか。
 ベリアンにだけは、隠しておく必要はないか、とテオドールは視線を上げる。 ] 

 ……まあ、
 そういうことだ。

 軍をまとめ始めの頃は、碌な医者が居なかったからな。
 過去の傷>>0:8が、時間をかけて胸の中を悪くしたのだろう。
 一時は治ったと思っていたが、そうではなかったらしい。

(500) 2014/03/30(Sun) 17:15:11

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