[森に入ってしまえば、直線的に追うことは不可能だった。小柄な体を生かして木々の間をすり抜けられれば、こちらは余分な回り道を強いられる。暫し追いかけたところで見失い、足を止めた。近くにいるのは間違いない。息さえとめて、周囲の気配を探る。]**