― 過去・ガルーについて ―
[『ガルー』というものを知ったのはこの病に罹るよりも前のこと。
ここ100年のうちに少しずつ『ガルー』の寄生被害とともに『ルー=ガルー』の襲撃被害が拡大してきている。
”『ガルー』および『ルー=ガルー』への対策を宇宙連邦に属する星域すべてに対して早急に行われたし”
そんな声が与野党問わず上がるようになったのも必然と言える。
だが。
"イア"は、いや、彼が属する連邦議会の秘密サロン、『ゾルタクスゼイアン』は、その動きをよしとしなかった。
表裏でさまざまな工作が行われ、結果的に『ガルー』関連の法案の多くは握りつぶされるか骨抜きにされた。
そのとき、表に立っていたのが、ベルガマスコである。]
依然正体の知れない寄生生物!?
この37500年の宇宙開拓時代、宇宙連邦のもと輝ける文化文明の繁栄を誇るこの時代に、そんなB級ホラー映画のようなものがあってたまるものか!!
そんな不確かな風聞や、ごく少数のケースだけを注視していてはいけません。政治に必要なのはマクロな視点です!
連邦の銀河には、まだまだ多くの争いや貧困が未解決のままなのですぞ!!
統計を取るまでもなく、優先すべきがどちらかは明らかなことでしょう!!
[穴だらけの演説でも、本人が至って大真面目で、その声が大きければ、存外にその主張がまかり通ってしまう。
それは宇宙開拓史以前より変わらない、知的生命の悲しき性なのかもしれない……。]