[目の前の彼は、随分と前向きに物事を捉える性分のようだ。>>489羽搏く彼の仕草で苛立つ気も薄らぎ、目線は僅かに上がった。勝手な推測ではあるが前向きに捉えられる分、生前は随分な苦労を強いられていたのだろうか。そんな考えが脳裏を過ぎる。]ああ、姿でしたら―――[コウモリではないが、姿を変えたと言い掛けて…止まった。]先の、僕と一緒に居たあの人…トールと言うそうですが、砂のような姿になっていたのは見ましたよ。あの館で。[ある意味では嘘は言っていない。]