ラムスドルフ少佐は引かず、私は妨害するならと彼を撃った。
使ったのは通常弾。けれどあの感触は……失敗した。
[銃では剣のように物理的な手応えは薄いけれど。
至近距離であった以上に、よくない位置を抜いてしまったと感じていた。少し後に、現実となってしまうのはまだ知らず。
額に手を置き、また深く溜息を吐いた]
技官を生かしたまま連れ戻すことが出来た。必ずしも最悪の結果ではない。
けれどラムスドルフ隊は私に恨みを持っただろう。
そして彼女も帝国への忠誠は誓わなかった。実にらしい言葉を貰ったよ。「私の為に命を賭した友らの力になりたい」というね。
これで再奪還されでもしたらどうなる?
命令は撤回されていない。危険な芽は一つでも潰しておくべきだ。
[話している内に足下がふらつき、座らせて欲しいと頼む。
焦げた立ち枯れの木に寄りかかってハァと息を吐いた]