[>>214手に持っていた物を投げる動作に気付くと、小さいながらも背を手をめいっぱい伸ばして受け取る。受け取ったその際にはそれが何なのか、その意味にもまだ気付いていなかったが。]
あいがと!
えりぃ、がんがれ!
[あんなに避けていたのに、6年ぶりに会えた事に、口には自然と笑みが出る。
ぐ、と薬缶持った拳を上に突き上げ、すぐ出た言葉は短い物だったが、目の前を動く列に阻まれ届いたかは解らなかった。
今でも壊れた耳の奥に、残っている声がある。
父母の声が一番だが、エディの声も確かにそこにある。
エディが口を開いた時、聞こえないはずの声が聞こえてくるようだった。もっとも今の彼の声と比べれば、随分幼い声のままだなのだが*]