― 学校跡地・屋外 ―
[人が近寄り難い場所は在学中から幾つか見つけて確保していた。その内の一つまで肩を借りて移動し、口を開く]
案の定、敵も罠を張っていて伏兵が置かれていた。
だが、技官を連れていた公国の士官が戦闘状態の中でラウエンブルク大佐に何か持ちかけていて。
風向きがおかしかったから、優先順位を守るために私が割り込んだ。
そんな形になったから、一応は帰順の意志があるかを問いかけてから撃とうとしたのだが。
そこにラムスドルフ少佐が更に割り込んできた。撃つなとね。
……正式な命令が出ているのを公にしても引かなかったから、先に彼に銃口を向けた。
ああ、私は准将……から、二人には伝えずその命を受けていたんだ。
[戦死した事実を思って呼び直そうか迷い。今はそこに拘ってる時でもないかとそのままにした。
まだどこかで認めたくないのかもしれない。相討ちで両指揮官が倒れたという事実を]