……いきますよ、虹《アルカンシエル》くん……![言いながら、機関の出力を上げて距離を詰め。細めた若葉色の瞳で、見張り台に立つ姿>>481を認めた直後、操縦桿を引いた。ぐ、と機首を上げた虹《アルカンシエル》は緩い弧を描いて上空へと登っていく。唐突な切り返しが相手の虚をつけたなら、追撃があっても避けられるだろうが──そこは、賭け、だ。元より、ここで撃ち合う心算などはない。ただ──撃たれて、何もしないで帰るのは。それだけは、もう嫌だ、という意地がそうさせていた。養父母を亡くした時も、大分馴染んで気を許せた仲間たちを艦毎失った時も。結局、それしかできなかったから。*]