[弓の弦が死の音の様に奏でられ、四方は槍が囲う。そして男が近づく] 例え間諜と云えども安心しろ。 亡骸の扱いを心得る程度の良心は私にもある。 …名を聴こう。 それが貴様の最期だ、有能な戦士よ。[親衛を連れながらも、男は最期に、前へと出た。当然ながら指揮官としては愚策とも云えるが。既に己を殺しうる余力も残されていないその者を、自らの手で葬るせめての餞のつもりで、右腕の剣が煌き]