― 赤の宮殿 ―[吹きすぎるように景色が移り変わり、再びクレーデルの足が踏んだのは、柔らかな土の感触。周囲を建物に囲まれた中庭らしき場所に出て、クレーデルの背を滑り降り、歩き出す。ハルバードはまだ赤鹿毛の背に乗せたまま。やがて、目的の人物を見つけたならば、軽く手を掛けて声をかけた。]よう、来たぜ。"うまいもん"くわせてくれるんだろ?