― 狂気の研究施設 ―[指し示した先は、静寂の支配する黎明館とは趣を違える建築物。瘴気にも一定の耐性がある身は、迷わず距離を削りゆき>>488] ―――…私の妻は、余所見も満足にさせてくれない。 そんなことを言って―――…、[ひそ、と彼女の耳朶に吹き込む小声。]