[踏み出したトールの体が、滑らかに横へずれる。 正面からそのまま来るのかと思っていたから 対応は僅かに遅れた。 横薙ぎに襲い来る剣の軌道へ、 咄嗟に自分の剣を割り込ませつつ、一歩下がる。 だが不十分な体勢でトールの剣は受け止めきれず、 ──十分であっても、受け止められたかはわからないが 木剣の先端が左の胴を打ち、離れていった。]