……わかっている。そろそろ切ろう。………ああ、先ほど記録に上げた『猫』殿と『狼』殿が風呂から上がる頃合だ。また、次の月の昇る頃に。[魔石を指でなぞれば、光は打ち消される。 其の侭掌を広げ、嵌められた指輪の裏側を眺めた。 透明な虹を内部にくるめかせる、アッシュグレイのムーンストーン。 ――懐かしい誰かの瞳に、とてもよく似ていた**]