[”まじめな話”をしたのは、サシャの耳が壊れた後、極稀に会えたある日の事だ。]
―――わがんない。
[父母はサシャに、その事についてどうと話す事はなかった。胸中思う事はあっただろうが、娘の耳が治った可能性など考えれば、安易に否定も出来なかったし、>>210エディが言った通り、子供だからわからなくていい、そう思っていたのもあるだろう。]
―――れも、みな嫌だっでいっでる。
[だがそれ以外の森の民が、不満を口にするのを知っていた。
サシャが耳が聞こえない子供だからと侮って口にしても、その目で追えば何を話していたかすぐに解るのだ。]