ぬ………う…………いや、これはこれは副艦長殿……。
みっともないところをお見せしましたな……はっはっは……。
[力なく笑いながら、内心では弱みを見せてしまったことに歯噛みしつつ。
その彼女や、医師である彼には当然訊ねられることと思い、自ら話をする]
いや、数年前から持っている病気でしてな。
どこかの星に訪問したときにそこの風土病やらをもらったらしいが……どうも定かでなく、ね。
ああ、先生、あなただ。あなたに最初に診てもらったんだ。
覚えているとも。この仕事をしていると、人の顔を覚えるのは大事なことだからな。
[そういうと、当人はどこか微妙な表情でも浮かべているだろうか。>>399]
いやいや、はっはっは。
あのときはすまなかった。いや、原因不明、治療法もないと言われればつい、な。心無い言葉を浴びせてしまったと反省しているよ。
思えば嘘偽りなく教えてくれた先生は立派だった。
ほかの医者どものほうがよほどヤブでね。
ああでもないこうでもないと無意味な治療を繰り返したあげく、結局、こうして高額な医療ナノを放り込まれ、それでも足らず定期的な投薬だ。これも対処療法でしかない。まったく。
ん、そうだ。薬はある。
発作というか、頭痛が出たときはすぐに飲むやつだ。
だがいつもはここまで急激な症状は出たことがない……ふん、これも寿命が近いと考えろ、ということなのかね……?