― 回想/士官学校・夏のある日のこと ―
[生徒会の会計報告の相談をするために、
ステファンとシェットラントと共に、リエヴルの部屋に行った時の事。
資料は殆ど纏まっており、
明日の予算提出には間に合うはずだったのだが。
直前で予算をねじ込むこととなったので、その相談のためである。
……猛暑で元気のないラヴィとスノウのために、
永久水晶のかけらを発注したいとの懇願があったのだ。
永久水晶とは、常に一定の温度を保つ不思議な魔石を利用したもので、基本的には、加工した瞬間の温度が保持される。
あまりにも高熱にしたり、あまりにも低温にすると割れてしまうため、
武器等への利用は難しいとされていた。主に、食堂や医務室等で用いられている]