[卒業式には戻ってくるかも知れない、という儚い希望も、やはり叶うことはなく。
彼からの言葉が届いたのは、二週間ほど経ってからのこと>>12]
…………。
[どこの家でも、多少の「事情」なら、8年通った士官学校の卒業式くらい、待つだろう。
それが許されないほどの、事情。
恩師達と、級友達と、後輩達と、別れを惜しむ暇すら許されなかったという事実に、彼の置かれた立場の重さを、逃れられぬ枷の強さを、思う]
[それから間もなく、もう一度「リエヴル」の名を目にしたのは
シュヴァルベにも伝わってきた、帝国のさる貴族の当主交代のニュース>>10>>11*]