[この店に訪れる客は、初めてなら人形に驚き、店主の青年が寝ている姿を見るのが一つのお決まりのパターンだった。
呑気の性格をしているらしく、昔から住んでいる村人もどうゆう理由であれ流れ着いた村人も同じ扱いをする。
一連の仕込みと夕食の準備が終わって部屋へ戻れば、小さな針の音が部屋に響くだけで落ち着いた静けさが保ったまま。適度に暖められた室内と独特の人形たちや骨董品の匂いが居心地いい。
明日も天気がいいだろうかと窓枠しに空を見上げる]
一雨、来るか?準備をしておこう。
[ふっと外を歩く存在を見透かしたように視線を投げる。
瞳にすぐ近くを過っていく黒い男の姿は映さない。見えていたら寒そうだな―と危機感もなく、感想を漏らしていただろう]
くしゅん
[やがて、寒い寒いと定位置へと戻っていた**]