[北部の港でローと別れた際に、公国側に渡るために教えたのがこのルートだった。誰もが真似できるとは限らない手段だが、騎馬の上で産湯を使うという遊牧の民ならば、無論容易い。]とても大人数では取れない手段だが――面倒なのは、浅瀬を軸にして馬筏を張られた場合だな。まあ、事前に分かっていれば対処はとれよう。[騎馬を降り、一度濡れた馬を労ってやりつつ、そう告げる。]