貴女を荷物などと感じたことなど、生涯一度も。 ―――…無事でなければ、対応も違えたでしょうが。[ひそりと続けた言の葉は、僅かな冷気を孕む。しかし、夫に健気な信を寄せる声には微笑んで応じた。] 勿論、我が愛妻を戯れでも侵して良いのは私だけ。[穏やかに告げる語は、性質に基づく傲慢さが見え隠れ。顎を引いて、彼女の唇を恭しく賜り。]