[ この病に罹り、 こうして意識を失うこともたびたび。 そのたびに、なぜか闇に浮かぶのは幼少の記憶。 走馬燈、だとでも言うのか…… ふん。 名家。 連邦に尽くし。 力あることを求められる。 兄弟姉妹との競争。 非常な親。 肥大化する自尊心《プライド》。 一方で囁く声。 成り上がり。 卑怯者。 不安と恐怖。 …………子供の記憶だ。 誰にでもある……。 おとぎ話に出てくる狼にでも怯えるような…… 誰にでもあるだろう記憶・・・・・・・・。]