ほう、ヒトの語るサーガの中にはそんな話も?
そう言えば、此処に来るまでにヒトを見かけましたよ。
[彼女の博識に耳を傾けながら、緩やかに足を踏み出した。
ヒトの形をしていても、人間種とは造りが違う。
足場の悪い樹海の中でも、器用に剥き出しの根を踏みつけ、
落ち葉を鳴らしての巡行。>>474
そんな最中に彼女の言葉より思い出す記憶が幾つか。
記憶の引き出しを抉じ開け、暫しの間を置いてから吐く言の葉。]
――…小さいのと、暢気そうなのと、白くて黒いのですね。
[人間の見分けが今一付かぬ、所詮の人外であった。]