大丈夫。お前に、人は殺させない。……前は済まなかったな。[一般的に気性が荒いと称される炎竜の中で、この竜は酷く臆病で。……人が、好きすぎた。以前、ローを捕える折に放たせた炎も。あの後「何故人に向かって炎を放たねばならないのか」と、随分と困惑されてしまい。兵士の軽口一つにも、怯える様相だった。] ……大丈夫。大丈夫、だから。[その首に腕を回し、竜を抱きしめた。……竜がそれを望むのか、己がそうしたいのか。それは、考えるまでも無かった*]