― 拠点・出撃前 ―[シロウが持ち帰った帝国の前線配備将校リストは、当然のごとくトールの目にも触れていた。今の名前だけなら、同じ名前で済むかもしれない、が。ご丁寧に士官学校の卒業年度や、当時の名前まで記載されていては、間違える余地はひとつもなかった]あいつも……。あいつも来てるのか……。[公国側将校として集った顔ぶれを見渡せば、自然だれが帝国側なのかは想像がつくが、それでもこうして前線に来ているとわかれば、苦いものが胸中を過ぎる]