― 陸戦場・上空 ―
なんで、こんな時にっ。
よりによってこんな所で!
[発作的な逃亡だったけれど、風竜は追って来なかった。>>464
霧の中に逃げ込んで距離を稼ぎ、下からも弓や槍が届いてこない高さまで来ると、トルメンタは旋回しながらその場に留まった]
少しだけ。もう少しだけ時間をちょうだい。
ちゃんと、細氷の騎竜師に、戻るから。
お願いだから少しだけ……。
[両手で顔を覆ってガタガタと震える。
敵前逃亡してきたことも、今更のように後悔はしているが。すぐに舞い戻ることは出来そうになく。
氷竜は困ったように、乗り手が落ち着くのを待っていた。**]