[深く胸を貫いた刃は、蛇が塞ぐ前に夥しい血を流していた>>476血親の血が混じり込み、養い親の血で幾許か薄まったそれを。心臓にまで到達した傷から氷柱が引き抜かれ、血織りの栓が、隙間無く食い込む。妄執に侵され、身体を衝き動かしていた心臓が、直に新たな魔力を取り込み始める] ……、…[苦痛に歪む顔が僅か和らいで、唇が震える。囁きは、冷え切った空気を振るわせることはなく*]