[最初は何かを探すように、川面へ指先をつけて。それから言葉とリンクするように、彼の掌が冷たい水に沈んでいく様を見つめていた。]大丈夫――、ちゃんと聞いてるから…。[真冬のそれとは違っても、今の季節なら充分冷たいだろうに。それでも、彼が自らの意志でする事は止めず。彼自身の意志で、彼の心を言葉という見えない形になるのを待つ。]